そこなしハッピーエンド4

本の話とかアイドルの話とか。

石田衣良『娼年』担当:倉持明日香

娼年 (集英社文庫)

娼年 (集英社文庫)


 何に対しても強い欲望を持てずに生きてきた青年がある日出会った女性にスカウトされセックスワーカーとなり、様々な女性の欲望に触れていくお話。角の立たない部分だけで説明すると倉持さんはメンバーの耳よく食べてる耳フェチの人なので"様々な女性の欲望"の部分とのマッチングでこの本担当なんだと思うんですがAKBはほんとゴシップ取り込み的なのやるよね……。
 愛がないから色々な欲望や社会的に悪とされる状況をフラットに受け入れる主人公と、愛ゆえに主人公の状況を許容できない主人公の女友達。あなたのためにやるんだからね、好きだから私には権利がある、と言いながら主人公を否定する行動をとる女友達を見た時のこの気まずさは、アイドルヲタがよく陥る錯誤だからでしょうか。
 何を読んでもそこそこ楽しく読めるいつもの石田衣良。アーバンな描写が逆におっさん臭いのもいつもどおり。