そこなしハッピーエンド4

本の話とかアイドルの話とか。

荒木飛呂彦講演会概要

メモ帳から抜粋。まとめない。

11/3青山学院 荒木飛呂彦講演会
13:00〜14:00


荒木氏登場。「緊張したので素数を数えようとしたら、素数って何だったか思い出せなくなりました」
?小さいころから謎を追うのが好き。池の鯉を観察してて池に落ちて頭を打ち、底に沈んでいるのを親に発見
されたり、雪の日に動物の足跡を辿っていて肥溜めに落ちて凍えたことがある、その結果用心深い性格になった。


漫画にはストーリー、キャラクター、絵、テーマという要素がある。

  • 漫画の絵に大切なこと

15m先から見てもわかるデザインの追求。ヒット作には必要。
リングにかけろ、ワンピースなどがそう。
これは先人の技法などから大いに学ぶべきである。荒木氏は画家の絵や彫刻、
10代のころ読んでいた漫画から学んでいる。今も発展途上。

ヒーロー、ヒロインは孤独である。たとえ仲間がいても孤独。
悪は描きやすい。悪役の設定考えるほうが楽しいし楽。
けれど悪ばかり描くのはむなしい。
世の中に美しい心があることを描かなきゃいけない。
必要なのは読者の共感。たとえ悪役であっても読者の共感を呼ぶところが必要。
たとえば吉良吉影は静かに暮らしたいだけ、などのように。

  • ストーリー

キャラクターだけ描いていると行き詰る。
キャラクターさえあれば関係性でストーリーができると言っている漫画家もいるが、そんなことはない。
主人公と対応したストーリーが必要。

そのために氏は最初の数ページで主人公を困難に叩き落す。
そして最後は必ずハッピーエンドにする。

ハッピーエンドとは美しいもののために死ぬこと、

  • テーマ

ストーリーとキャラクターをまとめるものとしてテーマがある。
しかしテーマが読者への説教になってはいけない。キャラクターの後ろに隠す。セリフの端に匂わせる程度。
テーマをストーリーにしてはいけない。新人に多い。即編集者に選考から落とされる。


今回の教材として原稿を持ってきた。
『岸部露伴は動かない』
来月雑誌に載る。数日前に描き上がった。

  • スタンドの着想について

荒木氏は鼻血をよく出す
この鼻血が止まらなかったらどうしよう→鉄分を失わせるスタンド
もし死んでからも鼻血が流れ続けてとまらなかったらどうしよう→今回の短編
生原稿を教材に、キャラクターに読者を共感させるための言動をとらせることに関しての説明。

漫画を書くにあたって必要なもの、『愛と共感』。


未開の山を登るにしても、ふもとまでは地図を見て行ってもいい。漫画なら今回言ったようなことをふまえて自身のオリジナルを考えるほうが効率がいい。どんな仕事でもそう。まずは基本の地図をつくれ。