そこなしハッピーエンド4

本の話とかアイドルの話とか。

2014年アイドル考

環さん(@p_lost)宛てー。
http://littleboy.hatenablog.com/entry/2014/10/28/170747
この記事への反応をききたいとのことなので。
終電が来ないのでひまつぶしに書きます。

記事には関係ないけどAKB48について言えば、グループを象徴するメンバーを立てることにはあんまり力を入れなくなってます。今年の面白いトピックとしては、47都道府県からひとりずつメンバーを選出し毎週地方のお祭りのフリーステージにだしまくることで主力タレントをひとりもつかわずにおらが町にもAKB48が来たぞという思い出だけを全国に振りまいている「team8」、あなたもAKBになれる! 純粋に時給貰って握手会などに従事する「バイトAKB」の2つがあったかな。どちらもグループの名のほうに重点が置かれた企画ではある。しかしハイパフォーマンスからは程遠いなこの二つ……。もちろん主力メンバーがしっかり練習積んで演出構成にも力が入った地方ホールツアーなんかもやってはいます。

アイドルがハイスキル、ハイパフォーマンスの時代になっていくという指摘は一面そのとおりであると思うのですが、吉田さんとアイドルの趣味が被る(ていうか吉田さんがTPDの舞台に何度も来てるの遭遇してる)し僕ハイパフォーマンス系好きなのでアイドルヲタクとしては偏ったこというかもー。

握手の時代はグループアイドルの時代であるというのは先行して語り尽くされている話で、CDの売り上げ枚数がある程度メンバーの人数に比例してしまうことに関してはたしか探したら資料でてくる気がする。

でヲタクは飽きっぽいので、言うても楽しいだけでは何年も持たないし、ディーバの時代(アイドルブーム前のavexがいっぱいCD売ってた歌唱重視の頃)に戻るんじゃないかみたいなことは言われていたのですが、意外とダンスのほうが重視された結果として、群舞のほうが見栄えがするからグループアイドルの時代がまだまだ続いてしまっているのです(このあたり乱暴な論)。ダンスが優先されたのは単に歌習ってる子供よりダンス習ってる子供のほうが圧倒的に多いとかが影響しているのかな?

Perfumeに象徴されるようにステージパフォーマンス、ステージ演出の高度化は脱アイドルをほんの数年前までは意味していたのですが、子供達がみんな元々それなりに踊れるとか、アイドルヲタクと似て非なるスクールヲタク文化がイベント情報調べやすい時代になったことで合流したりでヲタ側の受容の方向性が変わってきたのもあり、ももクロ以降の突飛なコンセプトで差別化する時代(吉田さんの言ってるコラボの時代というのは人との意味ではなく、外部から持って来たアイドルと何の関係もない文脈をアイドルにまとわせる手法について指してる)から純粋にステージの高度さを売りにすることがアイドルという市場でもできる時代に変わってきているという傾向はたしかにある、というかレコード会社に変えて売りたい勢力がそれなりにいるのかなあと思ったりします。僕がそういうの好きで最近たくさんみてるだけの可能性もある。

東京パフォーマンスドールは小規模劇場に高度な最先端演出技術と十分にレッスン量確保できる環境に置いた女の子を持ってきて見せることで志しの高さそのものでファンをつかんできているアイドルさんなんですが、それで新しいお客さんつかんでいるかといえばそうでもなく、定期公演を見に来ていたのは主要客層は当時の東京パフォーマンスドールファン、毎日公演観れたころのAKBファン、つたない子供だったころのももクロファンがほとんどを占めておりなんか文脈の合流具合が大変なことになっておりました。

名跡の話。
結局アイドルの現場に自主的に足を運ぶのはアイドルファンだけであり、アイドルファンに対して名跡はそんなに効力ないんですが、じゃあどこで効力あるのといえばイオンモールです。
アイドルといえばデパートの屋上ドサ回りというイメージは、現在へんぴな場所のショッピングモールでのCD即売会&ミニライブへと姿をかえ生き残っております。名跡は子供つれて土日のモールに来てる親世代にへーあのグループ復活したんだと思って足を止めてもらいちゃんと心に残るような高度なパフォーマンスをする、というものすごく地道な部分でしか役に立ちません。名前を背負ったがゆえにパフォーマンスのレベルを上げて先代のイメージ更新しないと逆に今の子たちは印象に残れない、なかなかがんばりのいることをやっているなと思います。


話を飛ばして書きたいこと書き始めますが、イオンモールとアイドルといえば現在放送中のアニメ「プリパラ」。このアニメはイオンモールが協賛し毎年開催されている小中学生向けの大規模オーディション企画「キラチャレ」をモデルにしています。各地のイオンモール、いつもは週末にアイドルが立っているステージを予選会場とし、エントリーの敷居もかなり低く設定されているこのイベントは、おしゃれしてイオンモールに行けばあなたもアイドルになれるという新たなスタイルを子供に提示しており、わりとこのあたり現代アイドルを語る上でかかせない演者と観客の視点の容易な逆転についてと関わるのでたぶん掘るべきなんですがなかなか取りかかれていないので今度また飲みに行こうね。

電車が来たのでおしまい。